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ページ更新日:2016/8/15

第2章 仕訳の仕方 (帳簿付けの基本)

このページの内容

貸借対照表と損益計算書を同時に作成できるように、全ての取引について、(1)仕訳⇒(2)総勘定元帳へ転記の2段階で各勘定科目を集計します。

このページの目次
(1)仕訳の仕方
(2)総勘定元帳への転記
仕訳の考え方
 

この方法について、次の取引例を使って説明します。
(例1) 4/1 取引先に対する 貸付金の利息2万円現金で受け取った。


  

(1)仕訳の仕方

仕訳とは

まずは、完成した仕訳をご覧ください。
仕訳図-法人と個人事業主の会計

(※1)勘定科目とは、「現金」や「受取利息」などの項目のことです。初めての方は、現金や預金など簡単なところから先に埋めていくと分かりやすいです。

(※2) シンプルなケースは上記のように1行ですが、取引によっては複数行になることもあります(この場合も、借方(左)と貸方(右)の合計金額は必ず一致します。

(例)社員に、給与25万円と通勤手当2万円を支給、所得税5万円を差し引いて22万円を振込した場合
借方 金額 貸方 金額
給料 25 普通預金 22
旅費交通費 2 預り金 5





仕訳の仕方(一般的な説明)

初めての方は、仕訳に慣れるまでは、Webなどで取引を検索して仕訳するのが間違いないです。また、会計ソフトによっては、取引の種類を選択すると、仕訳を作成できる機能がありますので、こちらを活用するのもよいです。

■よく出てくる取引や5要素(資産・負債・資本・収益・費用)のパターンを中心に覚えるとよいです。
 ・よく出てくる取引
  → 現金・預金取引(現金・預金が増加したら借方(左)、逆に、減少したら貸方(右)に書きます)

 ・よく出てくる5要素(資産・負債・資本・収益・費用)のパターンは、以下の通りです。
パターン 取引例
資産の増加 と 資産の減少 預金の預け入れなど (例) 預金 ×× / 現金 ××
費用の増加 と 資産の減少 事業に係る経費の支払など  (例) 旅費交通費 ×× / 現金 ××
基本的に事業主は営利活動をしているわけですから、収益・費用の科目が増減する取引は多くなります。
事業主によりますが、たくさんあって迷うのは費用科目です。なお、資産・負債・資本・収益の勘定科目は、比較的に少ないと思います
資産の増加 と 収益の増加 売上計上など (例)現金 ×× / 売上 ××




U個人事業主・法人の会計
全ページ一覧
第1章 個人事業主・法人の会計【全体像】

第2章 会計の基本
会計の目的と処理基準
貸借対照表と損益計算書
貸借対照表と損益計算書とは
貸借対照表と損益計算書の仕組み
帳簿付けの仕方
仕訳の仕方
複式簿記による帳簿付け全体の流れ
企業会計原則の原則
一般原則
発生主義・実現主義・費用収益対応の原則
現金主義会計と発生主義会計の違い
第3章 各取引の仕訳・帳簿の付け方
現金預金取引
債権・債務の取引
物の購入
商品の仕入・売上
消耗品の購入
有形固定資産と無形固定資産の購入・減価償却

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■取引から自分で仕訳する場合
資産・負債・資本・収益・費用の増減があったとき、取引を下図の    Step1   →    Step2   に当てはめます。
仕訳の借方(左)と貸方(右)は、必ず一致しますので、現金や預金など簡単なところから先に埋めていくと分かりやすいです。
※資産・負債・資本・費用・収益の内容は、貸借対照表と損益計算書とはをご覧ください。

仕訳の仕方1-法人と個人事業主の会計
<図の補足説明>
  Step1  取引の分解
■まずは事業主が所有している資産に注目するのが分かりやすいと思います。
もしも何を記入するか分からなくなったときは、後述するように所有している資産とその調達方法の増減という視点から考えてもよいです。


  Step2  勘定科目と左右の決定
■仕訳では、資産の増加は借方(左)、その調達方法の増加は貸方(右)です。
こうなる理由は、最終的に作成する貸借対照表をイメージすると分かりやすいです。貸借対照表では、資産の残高は借方(左)、その調達方法の残高は貸方(右)と決めているためです。


■利益剰余金の当期増加分は収益科目、逆に、当期減少分は費用科目を使います。すると、取引時に貸借対照表の利益剰余金が増減しません。この利益剰余金は、期末決算時に損益計算書の作成後、資本振替をして一括して増減させます。
詳細は、複式簿記による帳簿付け全体の流れページ(後半)をご覧ください。


※資産・負債・資本・費用・収益の増減は、一般的には、次のように整理されます。こちらでも全く同じことですので、このように覚えてもらっても問題ありません。
貸借対照表
資産の増加
負債の減少
資本の減少

資産の減少
負債の増加
資本の増加
損益計算書
費用の増加 収益の増加

借方に書く

貸方に書く

初めての方向けに、会計ソフトによっては、取引の種類を選択すると、仕訳が作成できる機能があります。こちらを活用して仕訳に慣れていくとよいと思います。


  

(2)総勘定元帳への転記

仕訳を起こしたら、総勘定元帳へ転記して、各勘定科目を集計します。

貸借対照表と同じように、総勘定元帳も、資産の残高は借方(左)、その調達方法の残高は貸方(右)になります。
だから、上記の仕訳をそのまま各勘定科目に、金額を記入します。この際、日付と相手科目も記入します。

仕訳
現金 2          受取利息 2     
現金勘定の借方に転記   受取利息勘定の貸方に転記
総勘定元帳
現金
4/1受取利息 2  残高 2
   
受取利息
 残高 2 4/1現金 2
   
※会計ソフトを使うと、仕訳を入力したタイミングで自動的に転記してくれます。


           

仕訳の考え方


前述の方法がしっくりこない方、理解を深めたい方のために、貸借対照表と損益計算書の同時作成という目的から、仕訳の仕方を説明します。
初めての方は、難しいようでしたら仕訳に慣れたころ確認いただくと理解が深まると思います。

ここでは、先ほどと同じ例を使います。
(例1) 4/1 取引先に対する 貸付金の利息2万円現金で受け取った。


Step1 貸借対照表を作成するための記帳
現金だけに注目する単式簿記(家計簿・小遣い帳など)では会社の活動を記録しきれませんから、複式簿記により貸借対照表を作成する必要があります。

■記録する内容
この貸借対照表を作成するためには、まず、以下@⇒Aを記入する必要があります。


仕訳の仕方2-法人と個人事業主の会計
(※)借方(左)と貸方(右)のどちらに書くか決める
貸借対照表では、資産の残高は借方(左)、その調達方法の残高は貸方(右)と決めています。そのため、仕訳では、資産の増加が借方(左)、資産の調達方法の増加が貸方(右)になります。

以上のように、資産とその調達方法の側面から仕訳していけば、貸借対照表が作成できます。また、貸借(左右)は必ず一致することになります。

※このStep1で利益剰余金が増減しない場合は、ここで完了です。




Step2 損益計算書も同時作成するための記録
Step1で利益剰余金が増減したときは、損益計算書も同時作成できるように記録する必要があります。

全ての取引でStep1のような仕訳をしても、期末決算で、「利益剰余金」の差額を計算すれば、当期利益を計算できます(財産法)。
 「利益剰余金」の期末残高 2万円 − 「利益剰余金」の期首残高 0万円 = 当期利益 2万円


しかし、(例1)の貸付利息、商品の売上、保険金の受取など、事業主の当期利益が増減したときは、常に「現金 ××× / 利益剰余金 ×××」という仕訳になるため、後で仕訳を見たとき、当期利益の内訳が分かりません。
そこで、損益計算書も同時作成するために、事業主の利益が増減したときは、利益剰余金の内訳である収益・費用を使います(損益法)。
たとえば、貸付金の利息であれば「受取利息」、商品の売上は「売上」、保険金の受取は「雑収入」などの勘定科目を使い、この勘定科目ごとに集計していきます。

仕訳の仕方3-法人と個人事業主の会計

このように記録しておけば、後で仕訳を見たとき、利息により利益をあげたことがすぐに分かります。


※このように仕訳するときに、利益剰余金ではなく費用・収益を使うと、取引時に貸借対照表の利益剰余金が増減しません。
期末決算に、損益計算書の作成が完了したら、利益を一括して利益剰余金に振り替えます(資本振替)。
借方 金額 貸方 金額
受取利息 2 利益剰余金 2
詳細は、複式簿記による帳簿付け全体の流れページ(後半)をご覧ください。また、その他の仕訳例も確認できます。


※財産法は、財産的な裏付けをもった利益としてのメリットを持つことから、損益法と財産法は、相互補完的に機能しています。



【参考】他の記録方法について
先ほどの(例)では、次の仕訳を起こしました。
借方 金額 貸方 金額
現金 2 受取利息 2

では、次のように取引を記録しても、貸借対照表と損益計算書を作成できるでしょうか?

(記入例1)
 勘定科目の増減だけ単純にメモしていく。
項目 金額
現金 +2
受取利息 +2

(記入例2)
 借方(左)と貸方(右)を逆に記録する。
借方 金額 貸方 金額
受取利息 2 現金 2


貸借対照表・損益計算書を作るために、重要なのは正しく各勘定科目を集計することです。だから、上記どちらの方法でも、一度決めたルールでずっと記入し、各勘定科目を正しく集計して、各勘定科目を適切に配置すれば、貸借対照表と損益計算書を作成することができます。

でも、一般的に決められたルールで仕訳すれば、仕訳の質問をしたり、書籍を理解したり、会計ソフトを使うことができるようになります。
また、先ほど紹介したルールであれば、必ず借方(左)と貸方(右)が一致するので、ミス防止にもなります。
最初、借方(左)と貸方(右)はややこしいのですが、複雑な取引になったとき分かりやすいです。必ず貸借が一致するので、先に分かる所から書いていくということもできます。



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