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ページ更新日:2016/8/30

第3章 商品の仕入・売上取引の帳簿付け

このページの内容

ここでは、商品の仕入・売上取引について、仕訳の仕方をご説明します。
一般的な三分法、売上原価対立法、分記法について、ご紹介します。

このページの目次
売上と売上原価の計上の仕方
三分法による仕訳
その他の方法による仕訳



   
ここでは、以下の(例1)(例3)を使って、売上・売上原価計上の仕方と仕訳をご説明します。
個人事業主と法人の帳簿づけ-商品の仕入・売上取引の帳簿付け

売上と売上原価の計上の仕方 とても重要!

会計基準では、最終的に、上図の通り、売上と売上原価(費用)を計上します。
詳細は、以下の通りです。
内容
売上  当期、商品引渡し分を売上計上します。
※詳細は、損益計算書原則をご覧ください。

費用 発生主義と費用収益対応の原則により、 当期、商品を消費した(=当期商品売上に対応した)個数分だけ費用計上します。この費用を売上原価といいます。

そして、 当期に消費していない(=当期商品売上に対応しない)残りの在庫は、資産計上されます。

上記、発生主義と費用収益対応の原則による費用計上の考え方は、次の通りです。
内容
発生主義 これは、商品やサービスの消費時に費用計上するという原則です。
⇒商品販売では、相手に商品を引渡したとき、費用計上することになります。つまり、商品の引渡時に、売上計上すると同時に、手元の商品がなくなることによる価値減少分を損失計上します。

費用収益対応の原則 これは、当期収益に対応する分を費用計上するという原則です。
⇒上図の例では、当期、商品1個を売上げた場合、これに対応する1個分を費用計上して、当期の損益計算をします。






  

三分法による仕訳

商品の仕入・売上取引の仕訳方法は、何種類かありますが、一般的には、三分法を使います。
三分法とは、以下3つの勘定科目を使って仕訳する方法です。
・「繰越商品」勘定(資産)
・「仕入」勘定 (費用)
・「売上」勘定(収益)

三分法では、期中は簡便な処理をします。そして、期末決算時に、前述の通り、当期消費した(=当期売上に対応した)個数分だけ、売上原価(費用)計上します。個人事業主の確定申告でも、同じ仕訳になります。


Ⅱ個人事業主・法人の会計
全ページ一覧
第1章 個人事業主・法人の会計【全体像】

第2章 会計の基本
会計の目的と処理基準
貸借対照表と損益計算書
貸借対照表と損益計算書とは
貸借対照表と損益計算書の仕組み
帳簿付けの仕方
複式簿記による仕訳の仕方
複式簿記による帳簿付け全体の流れ
企業会計原則の原則
一般原則
発生主義・実現主義・費用収益対応の原則
現金主義会計と発生主義会計の違い
第3章 各取引の仕訳・帳簿の付け方
現金預金取引
債権・債務の取引
物の購入
商品の仕入・売上
消耗品の購入
有形固定資産と無形固定資産の購入・減価償却

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Ⅲ消費税法

Ⅳ会計ソフト比較解説

Ⅴ個人事業主・法人におすすめのフリーソフト・サービス

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それでは、仕訳の説明をしていきます。
仕訳&元帳
期首 (例1)期首は、商品在庫が1,600円(800円×2個)あった。

≪元帳≫
商品仕入の帳簿づけ1-個人事業主と法人会計

仕入時 (例2)商品2,000円(1,000円×2個)を掛で仕入れた。

≪仕訳≫
期中は、簡便に仕入勘定だけ使います。
借方 金額 貸方 金額
仕入 2,000 買掛金 2,000
※本来であれば、後述する売上原価対立法のように、商品 2,000 / 買掛金 2,000 と仕訳して、資産計上すべきです。これは、発生主義と費用収益対応の原則により、当期商品を消費していないためです(=まだ売上ていないためです)。しかし、三分法では、簡便に仕入勘定を使います。

 
≪元帳≫
商品仕入の帳簿づけ2-個人事業主と法人会計

売上時 (例3)商品1,500円(1,500円×1個)を掛売上げした(期首在庫分を売上げたと仮定)。

≪仕訳≫
売上時は、以下の通り、売上計上だけします。
借方 金額 貸方 金額
売掛金 1,500 売上 1,500
※本来であれば、後述する売上原価対立法のように、以下の通り、売上と同時に費用計上もすべきです。これは、発生主義と費用収益対応の原則により、当期商品を消費しているためです(=当期売上に対応する費用を計上するためです)。しかし、三分法では、簡便に売上だけ計上します。
 売掛金 1,500 / 売上 1,500
 売上原価 800 / 商品 800

 
≪元帳≫
商品仕入の帳簿づけ3-個人事業主と法人会計


期末決算 前述の通り、期末決算時に、当期消費した(=当期売上に対応した)1個分だけ、売上原価(費用)を計上するようにします。
現在、期末決算時点の仕入勘定は、当期仕入2個分2,000円になっています。
そこで、≪仕訳①②≫をして、仕入勘定で売上原価を計算します。

≪仕訳①≫
期首商品残高を仕入へ振替
仕入勘定で売上原価を計算するために、まずは、期首商品2個分1,600円を仕入勘定に振替えます。
借方 金額 貸方 金額
①仕入 1,600 繰越商品 1,600
       
≪元帳≫
商品仕入の帳簿づけ4-個人事業主と法人会計
       
≪仕訳②≫仕入から繰越商品へ振替
仕入勘定のうち、期末商品3個分2,800円は資産なので、仕入から繰越商品に振替えます。
 ※先入先出法により、先に仕入れた期首商品(単価800円)から売上したものとして、計算しています。
借方 金額 貸方 金額
②繰越商品 2,800 仕入 2,800
すると、仕入勘定の残高は、当期消費した(=当期売上に対応した)1個分800円になります。


このように、会計基準では、発生主義と費用収益対応の原則により、以下の取扱いになります。
・当期消費した(=当期売上に対応した)商品の1個分だけ、売上原価(費用)計上する
・当期消費していない(=当期売上していない)残りの商品3個分は、資産計上する


※上記①②の仕訳は、売上原価を「仕入」勘定で計算する方法です。この他、売上原価を「売上原価」勘定で計算する方法もあります。

B/S
P/L表示

商品仕入の帳簿づけ5-個人事業主と法人会計
※貸借対照表では、繰越商品ではなく商品という名称になります。
※損益計算書では、仕入ではなく、売上原価という科目で表示します。

参考
(例2)の掛仕入した後、仕入先へ買掛金を振込した場合は、買掛金 2,000 / 普通預金 2,000 のように仕訳します。
また、商品購入のために前払(手付金)したり、備品などを購入した場合の勘定科目は、債権・債務の取引をご覧ください。
(例3)の掛売上した後、得意先から入金があったら、普通預金 1,500 / 売掛金1,500 のように仕訳します。
また、前払(手付金)を受け取ったり、備品などを売却した場合の勘定科目は、債権・債務の取引をご覧ください。



           

その他の方法による仕訳

参考として、先ほどと同じ例を使って、売上原価対立法と分記法をご紹介します。
どの方法を使っても、発生主義と費用収益対応の原則に従うことになりますので、最終的には同じ結果になります。
売上原価対立法 分記法
処理方法 以下3つの勘定科目を使って仕訳する方法です。
・「商品」勘定(資産)
・「売上原価」勘定(費用)
・「売上」勘定(収益)
以下3つの勘定科目を使って仕訳する方法です。
・「商品」勘定(資産)
・「商品販売益」勘定(収益)
メリット
・デメリット
○発生主義と費用収益対応の原則に基づく理論的な方法です。
×商品引渡し時に、売上原価を調べなければならないので、手間がかかります。

×利益が純額だけしか分からないので、総額主義の原則に反します。
×商品引渡し時に、売上原価を調べなければならないので、手間がかかります。

期首 (例1)期首は商品在庫が1,600円(800円×2個)

(例1)期首は商品在庫が1,600円(800円×2個)

仕入時 (例2)商品2,000円(1,000円×2個)を掛で仕入れた
借方 金額 貸方 金額
商品 2,000 買掛金 2,000
発生主義と費用収益対応の原則により、商品を消費していないため(=売上げていないため)、商品を資産計上します。

(例2)商品2,000円(1,000円×2個)を掛で仕入れた
借方 金額 貸方 金額
商品 2,000 買掛金 2,000

売上時 (例3)商品1,500円(1,500円×1個)を掛売上げした(期首在庫分を売上げたと仮定)。
借方 金額 貸方 金額
売掛金 1,500 売上 1,500
売上原価 800 商品 800
1行目は、三分法と同じ仕訳です。
2行目で、発生主義と費用収益対応の原則により、商品を1個消費したため(=売上に対応する費用を計上するため)、この売上原価を費用計上します。

(例3)商品1,500円(1,500円×1個)を掛売上げした(期首在庫分を売上げたと仮定)。
借方 金額 貸方 金額
売掛金 1,500 商品 800
商品販売益 700
決算整理仕訳 なし
※期中に適切な処理をしているので、ここで仕訳は必要ありません。
なし
B/S
P/L表示
商品仕入の帳簿づけ6-個人事業主と法人会計
※貸借対照表では、繰越商品ではなく商品という名称になります。
※損益計算書では、分記法の場合、上記「売上高」1,500と「売上原価」800が相殺されて、「商品販売益」700が収益に表示されます。
の取扱いは、いずれの方法でも三分法にある記載と同じです。消費税区分は、個々の取引に対して判定しますので、仕訳の仕方によって、消費税区分が変わりません。


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