【図解】経理の原則 物事の『本質』を大切にするサイトです

ホーム T個人事業主の確定申告 U個人事業主・法人会計 V消費税 W会計ソフト X[自作ソフト]二刀流宛名印刷

【図解】経理の原則
 物事の「本質」を大切にするサイトです

ホーム  会計全体像 

ページ更新日:2016/8/17

第2章 複式簿記による帳簿付け全体の流れ

このページの内容

このページでは、複式簿記による帳簿付けをして、貸借対照表と損益計算書を作成までの流れを説明します。
仕訳の仕方は、こちらのページ仕訳の仕方 をご覧ください。

<このページ目次>
Step1 期中の仕訳と総勘定元帳への転記
Step2 決算整理仕訳と総勘定元帳への転記
Step3 損益振替による損益計算書作成・資本振替による貸借対照表作成





Step1 期中の仕訳と総勘定元帳への転記

貸借対照表・損益計算書の仕組みページと同じ取引例を使って、いろいろなパターンの仕訳と総勘定元帳への転記をしていきます。
なお、文字と金額に色を付けているのは、見やすくしているだけで他に意味はありません。

例A 現金900万円を株主から出資してもらい会社を設立。
例B 現金600万円を銀行から借入した。
例C 器具備品300万円を購入し、現金で支払った。
例D 商品50万円を仕入れ、現金で支払った。
例E 上記の商品50万円を70万円で販売した。売上代金は現金で受け取った。
例F 現金10万円で借入利息を支払った




U個人事業主・法人の会計
全ページ一覧
第1章 個人事業主・法人の会計【全体像】

第2章 会計の基本
会計の目的と処理基準
貸借対照表と損益計算書
貸借対照表と損益計算書とは
貸借対照表と損益計算書の仕組み
帳簿付けの仕方
仕訳の仕方
複式簿記による帳簿付け全体の流れ
企業会計原則の原則
一般原則
発生主義・実現主義・費用収益対応の原則
現金主義会計と発生主義会計の違い
第3章 各取引の仕訳・帳簿の付け方
現金預金取引
債権・債務の取引
物の購入
商品の仕入・売上
消耗品の購入
有形固定資産と無形固定資産の購入・減価償却

T個人事業主の確定申告

V消費税法

W会計ソフト比較解説

X自作フリーソフト[二刀流宛名印刷]


例A 現金900万円を株主から出資してもらい会社を設立

■仕訳

例A 現金900万円株主から出資してもらい会社を設立
資産の増減→現金900万円の増加
上記調達方法の増減→資産が増加したので、その調達方法も記入します。株主の出資による調達なので、調達方法(資本金)900万円の増加

以下の表に当てはめます。
繰り返しになりますが、資産の増加は借方(左)、資産の調達方法の増加は貸方(右)に記入するのがポイントです。
B/S資産の増加
B/S資産の減少
B/S資産の調達方法の減少
(B/S負債の減少、B/S資本の減少、
B/S利益剰余金の減少=P/L費用の増加)
B/S資産の調達方法の増加
(B/S負債の増加、B/S資本の増加
B/S利益剰余金の増加=P/L収益の増加)
現金 900
資本金 900


■総勘定元帳へ転記

上記の仕訳をそのまま転記します。
貸借対照表 損益計算書
資産
現金
A900

 
 

商品
   

備品
 
負債
借入金
   
資本
資本金
  A900


利益剰余金
   
※Step3資本振替まで増減しない
費用
借入利息
   

売上原価
 
収益
売上
   
※「A」という記載は、「例A」を意味します。また、前ページと比較できるように、勘定科目は同じ並び順にしています。以下同様です。
※この後に登場する総勘定元帳では、日付・相手科目の記載を省略します。


例B 現金600万円を銀行から借入した

■仕訳

例B 現金600万円銀行から借入した
資産の増減→現金600万円の増加
上記調達方法の増減→資産が増加したので、その調達方法も記入します。銀行の借入による調達なので調達方法(借入金)600万円の増加
B/S資産の増加
B/S資産の減少
B/S資産の調達方法の減少
(B/S負債の減少、B/S資本の減少、
B/S利益剰余金の減少=P/L費用の増加)
B/S資産の調達方法の増加
(B/S負債の増加、B/S資本の増加、
B/S利益剰余金の増加=P/L収益の増加)
現金 900
借入金 600


■総勘定元帳へ転記


貸借対照表 損益計算書
資産
現金
A900  
 
B600
 
 

商品
   

備品
 
負債
借入金
  B600

資本
資本金
  A900


利益剰余金
   
※Step3資本振替まで増減しない
費用
借入利息
   

売上原価
 
収益
売上
   


例C 現金300万円で備品を購入した

■仕訳

例C 現金300万円備品を購入した
資産の増減→現金300万円が減少し備品300万円の増加
上記調達方法の増減→上記は資産の内訳が変わっただけで、資産は増減していないので記入なし(例A:株主出資900万円、例B:銀行借入600万から調達したことに変更はないので、調達方法の記入なし)
B/S資産の増加
B/S資産の減少
B/S資産の調達方法の減少
(B/S負債の減少、B/S資本の減少、
B/S利益剰余金の減少=P/L費用の増加)
B/S資産の調達方法の増加
(B/S負債の増加、B/S資本の増加、
B/S利益剰余金の増加=P/L収益の増加)
備品 300
現金 300


■総勘定元帳へ転記

貸借対照表 損益計算書
資産
現金
A900 C300
 
B600
 
 

商品
   

備品
C300
 
負債
借入金
  B600

資本
資本金
  A900


利益剰余金
   
※Step3資本振替まで増減しない
費用
借入利息
   

売上原価
 
収益
売上
   



例D 現金50万円で商品を購入した

■仕訳

例D 現金50万円商品を購入した
資産の増減→現金が50万円が減少し商品50万円の増加
上記調達方法の増減→上記は資産の内訳が変わっただけで、資産は増減していないので記入なし(例A:株主出資900万円、例B:銀行借入600万から調達したことに変更はないので、調達方法の記入なし)
B/S資産の増加
B/S資産の減少
B/S資産の調達方法の減少
(B/S負債の減少、B/S資本の減少、
B/S利益剰余金の減少=P/L費用の増加)
B/S資産の調達方法の増加
(B/S負債の増加、B/S資本の増加、
B/S利益剰余金の増加=P/L収益の増加)
商品 50
現金 50


■総勘定元帳へ転記

貸借対照表 損益計算書
資産
現金
A900 C300
D50
B600
 
 
 
 

商品
D50  

備品
C300
 
負債
借入金
  B600

資本
資本金
  A900


利益剰余金
   
※Step3資本振替まで増減しない
費用
借入利息
   

売上原価
 
収益
売上
   





例E お客さんに商品50万円分を引渡し、売上代金70万円を受け取った

■仕訳

例E お客さんに商品50万円分を引渡し、売上代金70万円を受け取った
商品売上は、売上代金70万円の獲得と商品50万円の引渡しに分解して考えます。

売上代金70万円稼いだ
資産の増減→現金70万円の増加
上記調達方法の増減→資産が増加したので、その調達方法も記入します。自分の稼ぎによる増加なので、調達方法(利益剰余金)70万円の増加。仕訳では、調達方法(売上)70万円の増加を記入します
B/S資産の増加
B/S資産の減少
B/S資産の調達方法の減少
(B/S負債の減少、B/S資本の減少、
B/S利益剰余金の減少=P/L費用の増加)
B/S資産の調達方法の増加
(B/S負債の増加、B/S資本の増加、
B/S利益剰余金の増加=P/L収益の増加)
現金 70
売上 70

※上記のように「売上」で処理すると、取引時に貸借対照表の利益剰余金が増減しません。利益剰余金はStep3の損益振替で期末決算に一括して増減させます。


・一方、商品50万円の引渡して稼ぎが減った
資産の増減→お客さんに商品を渡していますので、商品50万円の減少
上記調達方法の増減→資産が減少したので、その調達方法を記入します。商品減少は自分の稼ぎ減少によるので、調達方法(利益剰余金)50万円の減少。仕訳では調達方法(売上原価)50万円の増加します。
B/S資産の増加
B/S資産の減少
B/S資産の調達方法の減少
(B/S負債の減少、B/S資本の減少、
B/S利益剰余金の減少=P/L費用の増加)
B/S資産の調達方法の増加
(B/S負債の増加、B/S資本の増加、
B/S利益剰余金の増加=P/L収益の増加)
売上原価 50
商品 50

※上記のように「売上原価」で処理すると、取引時に貸借対照表の利益剰余金が増減しません。利益剰余金はStep3の損益振替で期末決算に一括して増減させます。

※上記のような仕訳の方法を「売上原価対立法」といいます。

この他にも、商品売上の仕訳の方法は、「分記法」、「総記法」、「三分法(一般的)」などいろいろあります。
例えば、分記法ですと、売上代金70万円の獲得と商品50万円の引渡しをまとめて考えて、その差額を利益にします。
 資産の増減→現金70万円の増加商品50万円の減少
 上記調達方法の増減→資産20万円が増加したので、その調達方法も記入します。自分の稼ぎによる増加なので、調達方法(利益剰余金)20万円の増加=調達方法(商品販売益)20万円増加
  
現金 70 商品 50
商品販売益 20


■総勘定元帳へ転記

貸借対照表 損益計算書
資産
現金
A900 C300
D50
B600
 
 
E70  
 

商品
D50 E50

備品
C300
 
負債
借入金
  B600

資本
資本金
  A900


利益剰余金
   
※Step3資本振替まで増減しない
費用
借入利息
   

売上原価
E50  
収益
売上
  E70



例F 現金10万円で借入利息を支払った

仕訳

例F 現金10万円借入利息を支払った
資産の増減→現金10万円の減少
上記調達方法の増減→資産が減少したので、その調達方法も記入します。現金減少は、自分の稼ぎ減少によるので、調達方法(利益剰余金)10万円の減少。仕訳では、調達方法(借入利息)10万円の増加を記入します。
B/S資産の増加
B/S資産の減少
B/S資産の調達方法の減少
(B/S負債の減少、B/S資本の減少、
B/S利益剰余金の減少=P/L費用の増加)
B/S資産の調達方法の増加
(B/S負債の増加、B/S資本の増加、
B/S利益剰余金の増加=P/L収益の増加)
借入利息 10
現金 10

※上記のように「借入利息」で処理すると、取引時に貸借対照表の利益剰余金が増減しません。利益剰余金はStep3の損益振替で期末決算に一括して増減させます。


■総勘定元帳へ転記


貸借対照表 損益計算書
資産
現金
A900 C300
D50
B600
F10
 
E70  
 

商品
D50 E50

備品
C300
 
負債
借入金
  B600

資本
資本金
  A900


利益剰余金
   
※Step3資本振替まで増減しない
費用
借入利息
F10  

売上原価
E50  
収益
売上
  E70


Step2 決算整理仕訳と総勘定元帳への転記

実際には、固定資産の減価償却、貸倒引当金、賞与引当金等の計上等の決算整理仕訳をします。
ここでは、詳細の説明は、省略します。


Step3 損益振替による損益計算書作成・資本振替による貸借対照表作成

最後に、損益振替をして損益計算書を作成、資本振替をして貸借対照表を作成します。

■損益振替

仕訳

全ての収益と費用の残高を損益勘定に振替えます。この仕訳を損益振替仕訳といいます。
G 売上 70   損益 70
H 損益 50   売上原価 50
I 損益 50   借入利息 10

損益勘定に収益と費用をまとめることで、利益が計算しやすくなります。
→ この結果、全ての「収益」と「費用」の残高は0になりますので、「次期分」の「収益」と「費用」を集計できるようになります。

■総勘定元帳へ転記

貸借対照表 損益計算書
資産
現金
A900 C300
D50
B600
F10
残 1,210
E70  
 

商品
D50 E50
残0

備品
C300
残300
負債
借入金
B600

残600
資本
資本金
A900

残900

利益剰余金
※Step3資本振替まで増減しない
費用
借入利息
F10 I10
残0

売上原価
E50 H50
残0

振替
収益
売上
G70 E70
残0
損益
売上原価 H50 売上 G70
借入利息 I10
残10



上記損益勘定の各勘定科目を並べると、損益計算書になります。

損益計算書(当期分)
売上   70
売上原価 −50
支払利息 −10
利益 10

■資本振替

仕訳

最後に、損益の残高10万円を利益剰余金に振替えます。Step1.2で利益剰余金を増減させてこなかったので、ここで一括して動かすわけです。
この仕訳を資本振替仕訳といいます。
J 損益 10   利益剰余金 10

→ この結果、損益勘定の残高は0になりますので、「次期分」の損益が計算可能になります。

■総勘定元帳へ転記

貸借対照表 損益計算書
資産
現金
A900 C300
D50
B600
F10
残 1,210
E70  
 

商品
D50 E50
残0

備品
C300
残300
負債
借入金
B600

残600
資本
資本金
A900

残900

利益剰余金
J10
残10





振替
費用
借入利息
F10 I10
残0

売上原価
E50 H50
残0
収益
売上
G70 E70
残0


上記の各勘定科目と残高を並べると、貸借対照表になります。
貸借対照表(当期末時点)
資産の増減 資産の調達方法の増減
資産 負債    
 現金 1,210  借入金 600  
 商品 0       
  資本  
 備品  300  資本金 900  
     利益剰余金  10   
 合計 1,510  合計 1,510  
損益
H50 G70
I10
J10
残0


※一般的に会計ソフトを使えば、このStep3の作業も仕訳を入力したタイミングで自動的にやってくれます。会計ソフトに任せれば、ミスなく確実にやってくれます(会計ソフト比較解説ページはこちら)。

ホーム  会計全体像