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ページ更新日:2014/2/25

第2章 2(2)消費税法改正の経過措置の具体的内容

このページの内容

このページでは、以下の 「(2)消費税法改正の経過措置の具体的内容」 (以下目次の 部分)を説明します。

【図解】消費税法 ( 目次抜粋 )

第2章 取引の消費税区分と認識時期
 1.消費税区分
  ・・・
 2.消費税の認識時期 
(1)消費税の認識時期・消費税率8%のタイミング
(2)消費税法改正の経過措置の具体的内容 



①経過措置一覧

前ページで説明しましたように、消費税率8%適用のタイミングは、以下のとおり、原則→例外の順番で考えていくと、分かりやすいと思います。

原則 事業者(売主)が「資産の譲渡・貸付またはサービスの提供」を行った日に、消費税を認識します(通則法15②七)。ですから、この日が、平成26年4月1日以降であれば消費税率8%が適用されます。

例外
(経過措置)
上記の結果、消費税率8%が適用される取引であっても、以下のような経過措置に該当する場合は、旧税率5%が適用されます(経過措置通達2)。このページでは、多くの方に関連しそうな経過措置(下線部分)について、具体的な内容を見ていきます。
  経過措置により旧税率5%が適用される取引
資産の譲渡 ・通信販売
・予約販売に係る書籍等
・特定新聞
資産の貸付 資産の貸付
サービスの提供 旅客運賃等
請負工事等
・電気料金等
・有料老人ホーム

※基本的には、平成25年4月国税庁消費税室の「平成26年4月1日以後に行われる資産の譲渡等に適用される消費税率等に関する経過措置の取扱いQ&A」 (以下、国税庁経過措置Q&Aという)より整理しています。より詳細を知りたいという方は、以下の表をベースに、国税庁経過措置Q&Aをご覧いただければ、分かりやすいかと思います。



②資産の貸付の経過措置


原則 事業者(売主)が「資産の譲渡・貸付またはサービスの提供」を行った日に、消費税を認識します(通則法15②七)。

上記「資産の貸付」は、次の通り認識するのが原則です。
●前受けに係る額を除き、契約又は慣習により使用料等の支払日が定められているもの
 → 支払を受けるべき日(消基通9-1-20)
●支払日が定められていないもの
 → 支払を受けた日

ですから、上記の日が、平成26年4月1日以降であれば消費税率8%が適用されます。

例外
(経過措置)
しかし、資産の貸付をした日が平成26年4月1日以後でも、 次の適用要件①②③をすべて満たす場合は、平成26年4月以降も旧税率5%を適用されます(改正附則5④、改正令附則4⑥)(※)

適用要件 備考
①契約日が、平成8年10月1日から指定日の前日(平成25年9月30日)までであること 
※指定日とは、平成25年10月1日のことです。
指定日(平成25年10月1日)以後に貸付の対価の額が変更された場合は、その変更後におけるその資産の貸付については経過措置は適用されません(国税庁経過措置Q&A(問35))
②平成26年3月31日以前から平成26年4月1日以後も引き続き資産の貸付を行っていること

 
③契約内容が(ア)および(イ)、または、(ア)および(ウ)を満たすこと
(ア)資産の貸付の期間および期間中の対価の額が定められている
(イ)事業者の事情の変更その他の理由により、対価の額の変更を求めることができる旨の定めがない
(ウ)以下の要件を満たす
・契約期間中に当事者の一方または双方がいつでも解約の申入れをすることができる旨の定めがないこと
・当該貸付に係る資産の取得に要した費用の額及び付随費用の額の合計額のうち、当該契約期間中に支払われる当該資産の貸付の対価の額の合計の占める割合が、100分の90以上であるように当該契約において定められていること
 
 

(※)経過措置を受けるための実務対応
資産の貸付・請負工事等の経過措置を受けるためには、上記の適用要件とは別に、実務上、以下2つの対応が必要です。
  ・適用要件を満たすことを証明できるように契約書などを保管すること。(国税庁経過措置Q&A(問19))
・資産の貸付、または、請負工事等を行った者(売主)は、相手方に対して経過措置の適用を受けたことを書面で通知すること(改正法附則5⑧)。例えば、請求書等に、経過措置の適用を受けたものであることを表示することになります(経過措置通22、国税庁経過措置Q&A(問34))。(これは罰則もなく、国税庁経過措置Q&A(問34)で、「この通知をしたかどうかは、経過措置の適用関係に影響するものではありません。」と記載がありますが、税務調査でのトラブル防止のため、通知した方がよいでしょう)。





③旅客運賃等の経過措置

旅客運賃等とは、旅客運送(電車・バス・飛行機等)や映画・演劇等のサービス等のことです。

原則 事業者(売主)が「資産の譲渡・貸付またはサービスの提供」を行った日に、消費税を認識します(通則法15②七)。

旅客運賃等の場合は、上記「サービスの提供(物の引渡しを要するもの以外)」に該当しますので、サービス提供が完了した日に認識するのが原則です(消基通9-1-12)。

ですから、この日が、平成26年4月1日以降であれば消費税率8%が適用されます。

例外
(経過措置)
しかし、旅客運送(電車・バス・飛行機等)や映画・演劇等のサービス提供日(利用日)が平成26年4月1日以後でも、 代金領収日が平成26年3月31日までの場合は5%が適用されます(改正法附則5①)。

 この経過措置の対象となる旅客運賃等の範囲は、以下の通りです(改正令附則4①)。
分類 内容
旅客運賃 電車、乗合自動車、船、または、飛行機に係る旅客運賃
入場料金

映画、演劇、演芸、音楽、スポーツ、または、見せ物を不特定多数の者に見せたり、聴かせる場所への入場料金
競馬場、競輪場、小型自動車競走場、または、モーターボード競走場への入場料金
美術館、遊園地、動物園、博覧会の会場、その他不特定多数の者が入場する施設・場所でこれらに類似するものへの入場料金


④請負工事等の経過措置


原則 事業者(売主)が「資産の譲渡・貸付またはサービスの提供」を行った日に、消費税を認識します(通則法15②七)。

請負工事等は、上記「サービスの提供」に該当しますので、次の通り認識するのが原則です。
●物の引き渡しを要するもの
 → 目的物の全てを完成し相手方に引き渡した日(消基通9-1-5)。ただし、一定の要件を満たす場合は、部分完成基準による(消基通9-1-8)。
●上記以外
 → サービス提供が全て完了した日(消基通9-1-5)。ただし、一定の要件を満たす場合は、部分完成基準による(消基通9-1-11)。

ですから、上記の日が、平成26年4月1日以降であれば消費税率8%が適用されます。

例外
(経過措置)
しかし、「請負工事等」において、物品を引き渡した日 または サービス提供が全部完了した日が平成26年4月1日以後でも、 契約日が平成8年10月1日から指定日の前日(平成25年9月30日)の場合は5%適用されます(改正法附則5③)

上記の「請負工事等」とは、次の通りです(改正法附則5③)。内容に応じて、適用要件が異なります(※1)

「請負工事等」の内容 経過措置の適用要件
・建設業に係る工事の請負に係る契約 (経過措置通達10)  要件①のみ満たせばよい
・製造請負に係る契約 (経過措置通達11)
・測量、地質調査に係る契約
・工事の施工に関する調査、企画、立案及び監理並びに設計に係る契約
・映画の制作に係る契約
・ソフトウェアの開発に係る契約
要件①③④を満たす必要あり
・その他請負に係る契約 (修繕、運送、保管、印刷、広告、仲介、技術援助、情報の提供、検査・検定等の事務処理、市場調査など)
要件①②③④のすべてを満たす必要あり

 

適用要件①~④の内容は、次の通りです。
適用要件 内容
契約日が、平成8年10月1日から指定日の前日(平成25年9月30日)であること(※2)
工事等の契約に基づく仕事の完成に長期間を要するものであること。
工事等の契約に係る仕事の内容については、相手方の注文が付されたものであること。
工事等の契約に基づく仕事の目的物の引渡しが一括して行われるものであること(※3)



(※1)経過措置を受けるための実務対応
資産の貸付・請負工事等の経過措置を受けるためには、上記の適用要件とは別に、実務上、以下2つの対応が必要です。
  ・適用要件を満たすことを証明できるように契約書などを保管すること。(国税庁経過措置Q&A(問19))
・資産の貸付、または、請負工事等を行った者(売主)は、相手方に対して経過措置の適用を受けたことを書面で通知すること(改正法附則5⑧)。例えば、請求書等に、経過措置の適用を受けたものであることを表示することになります(経過措置通22、国税庁経過措置Q&A(問34))。(これは罰則もなく、国税庁経過措置Q&A(問34)で、「この通知をしたかどうかは、経過措置の適用関係に影響するものではありません。」と記載がありますが、税務調査でのトラブル防止のため、通知した方がよいでしょう)。

(※2)適用要件①において、契約変更した場合の取り扱いについて
  契約日が、平成8年10月1日から指定日の前日(平成25年9月30日)であっても、契約後に追加工事等で契約金額が増加した場合、この増額部分については、適用要件①を満たしません。この増額部分は新税率8%適用となります。(元々の契約金額部分は、旧税率5%適用です)(改正法附則5③)


(※3)適用要件④の具体的内容
  目的物の引渡しを要しない請負等の契約であっても、例えば、運送、設計、測量などでそのサービスの全部の完了が一括して行われるものは、この要件を満たします。一方、期間極めの契約(例えば、月極めの清掃契約またはメンテナンス契約)は、サービス全部の完了が一括して行われないので、適用要件④を満たしません (国税庁経過措置Q&A(問26)より)





上記以外の経過措置については、平成25年4月国税庁消費税室の「平成26年4月1日以後に行われる資産の譲渡等に適用される消費税率等に関する経過措置の取扱いQ&A」等をご覧ください。






Ⅲ消費税法
消費税法の基本的な考え方(【原則1.2.3】)をベースにして、体系的に学習します。これらを確認したい方は、特に、 と記載されたページをご覧ください。
また、基本的には、図や表で整理していますので、必要な情報をすぐに確認いただけます。
全ページ一覧

1章 仕組みと体系トップ【原則1.2.3】

1.消費税の仕組み図
2.消費税法の体系とポイント

2章 取引の税区分・計上【原則2】

1.消費税区分
(1)消費税区分判定の全体像
(2)Step1 課税対象取引の判定
(3)Step2 非課税取引の判定
(4)Step3 0%課税取引(免税)の判定
2.消費税の計上時期
(1)消費税の計上時期・8%適用
①消費税の計上時期
②消費税率8%適用タイミング
(2)消費税法改正の経過措置の内容
3.輸入消費税の課税と納付

(1)輸入消費税の考え方
(2)輸入消費税の税区分判定と納付

3章 確定申告と納付【原則3】

1.消費税の納税義務者と確定申告手続
2.消費税の計算
(1)消費税納税額の計算の全体像
(2)消費税納税額の計算の仕組み
①納税計算の原則的な考え方
②4%課税売上・0%課税売上・非課税売上の仕入税額控除の違い
 
(3)消費税納税額の計算方法

①国税の消費税(4%)計算
Step1 課税売上に係る消費税額
Step2 仕入控除税額計算
適用要件&メリット・デメリット
仕入控除税額計算
一般課税
・使う税区分と計算
・個別対応方式の用途区分
簡易課税
・使う税区分と計算
Step3 消費税の納付税額
②Step4 地方消費計算
3.中間申告と中間納付 

4章 会計処理・控除対象外消費税額

※正確を期するため、可能な限り根拠条文を掲載しています。

Ⅰ個人事業主の確定申告

Ⅱ【図解】個人事業主・法人の会計

Ⅳ会計ソフト比較解説

Ⅴ自作フリーソフト(無料)[二刀流宛名印刷]





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