所得金額とは & 10種類の所得と計算方法
&合計所得金額・総所得金額等・総所得金額の違い
「所得」とは(収入との違い)
所得税法における「所得」は、職業やその収入をどうやって得たかによって、10種類に分かれますが、「所得」の基本的な計算式は以下の通りです。
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収入
←収入は売上のようなもの
- 必要経費
所得 ←所得は利益のようなもの |
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「所得」と「収入」は言葉が似ていますが、上記の通り、所得税法では明確に異なります。
ここでは、「所得」と「収入」の違いについて、個人事業主、サラリーマン・パートを例にして簡単にご紹介します( 詳細は、後述します)。
個人事業主の場合
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法人の利益計算をイメージすると分かりやすいと思います。
所得とは、法人でいう利益(もうけ)のようなものです。
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●収入:法人でいう売上にあたります。一般的に年商のことです。 |
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●必要経費:上記収入を得るために使った仕入原価や販売経費などの費用です。 |
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●所得:法人でいう利益(儲け)にあたります。個人事業主の「所得」は、「事業所得」といいます。 |
例えば、個人事業主が、商品600万円を仕入れて、1,000万円で売上、利益(もうけ)が400万円の場合、以下の通りになります。
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「収入」 |
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→売上 1,000万円 |
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- 必要経費(※1) |
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→商品原価 600万円 |
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「所得」 |
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→利益(もうけ) 400万円 |
※青色申告者の場合は、一定の要件を満たせば、必要経費の他に「青色申告特別控除」も差し引くことができます。
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サラリーマン・パートの場合
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●収入:1~12月の給与(基本給・残業手当・家族手当など)+賞与(ボーナス)です。一般的に年収のことです(手取り額ではありません)。
これは、給与所得の源泉徴収票の「支払金額」に表示されます。 |
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●必要経費:個人事業主は、収入から仕入原価などの必要経費を差引くことができます。サラリーマン・パートの場合は、必要経費を特定することが難しいため、収入に応じた一定額を控除できるようになっています。これを「給与所得控除」といいます(「所得控除」という名称がついていますが、「給与所得控除」は、 15種類の「所得控除」( 参照)とは別物です)。 |
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●所得:サラリーマン・パートの「所得」は、「給与所得」といいます。
これは、給与所得の源泉徴収票では、「給与所得控除後の金額」欄に表示されます。 |
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※サラリーマンが勤務先からもらう給与所得の源泉徴収票

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所得計算の流れ
各所得の計算(収入-必要経費)から、所得税が決まるまでは、下図の から までの流れです。
まずは、10種類の所得を下図の区分で計算し( 図の上の 1 参照 )、 次に、 部分の作業をしていきます。
ここでは、以下を詳しく説明します。
1 課税方法・所得の種類 & 所得金額の計算方法
2 合計所得金額・総所得金額等・総所得金額の計算・違い
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全ページ一覧 |
国税庁HPの全体の流れと図表を分かりやすく解説します。
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以下は、右へスクロールできます
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ここまで、右へ横スクロールできます
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(※1)「上場株式等に係る譲渡損失」は、申告分離課税を選択した「上場株式等に係る配当所得」から控除できます。 |
(※2)過去3年間で控除しきれない上記の「上場株式等に係る譲渡損失」がある場合は、申告分離課税を選択した「上場株式等に係る配当所得」から繰越控除できます。 |
(※3)過去3年間で控除しきれない「先物取引に係る雑損失」がある場合は、繰越控除できます。 |
(※4)居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失、及び、特定居住用財産の譲渡損失については、損益通算と繰越控除の適用があります。 |
(参考)
上図は、次の 国税庁の研修機関である税務大学校の講本「所得税法(令和2年度版)」 P50 を右回りに90度回転させて、各所得の特別控除のタイミングなどを追記したものです。

1 課税方法・所得の種類 & 所得金額の計算方法
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概要
課税方法
所得税の課税方法は、 総合課税 ・ 申告分離課税 ・ 源泉分離課税 があります。
課税方法 |
確定申告の必要性 |
計算の流れ |
総合課税【原則】 |
必要
ただし、年末調整を受けたサラリーマンなどは不要です。
確定申告の対象者と確定申告した方がよいケース(節税)
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各所得の合計×税率(累進課税) で計算 |
申告分離課税 |
上記とは分離して所得ごとに、
各所得×各所得に応じた税率 で計算
※一時的な所得などには、特定の税率が設定されています。例えば、退職所得には低い税率になっています。
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源泉分離課税 |
不要
※相手方が、支払時に所得税を天引し(源泉徴収)、税務署に納付して完結します(入金側は確定申告の必要ありません) |
所得の種類
下表のとおり、所得は10種類あります。その内容に応じて、前述の3つの課税方法( 総合課税 ・ 申告分離課税 ・ 源泉分離課税 )が決められています。
一般的に発生しそうな所得には、 を付けています。
  → よく発生しそうな所得(事業所得、給与所得、雑所得(年金))
→ 個々の状況よって発生しそうな所得(株式の配当や譲渡、先物取引)
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所得 |
内容 |
課税方法 |
事業 |
事業所得 |
農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業などから生じる所得など ①   |
総合課税 |
株式等を譲渡したことによる所得(事業規模で行うもの) ⑤
先物取引に係る所得(事業規模で行うもの) ⑥ |
申告分離課税 |
不動産所得 |
土地や建物、船舶または航空機の貸付による所得 ① |
総合課税 |
山林所得 |
山林を伐採して譲渡したことによる所得 ③ |
申告分離課税 |
サラリーマン |
給与所得 |
勤務先から受取る給与や賞与など ①   |
総合課税 |
退職所得 |
勤務先から受取る退職金、一時恩給 ② |
申告分離課税 |
資産運用 |
利子所得 |
国外で支払われる預金の利子など ① |
総合課税 |
公社債や預貯金の利子など ※一般的に、利子所得は源泉分離課税になります。 |
源泉分離課税
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配当所得 |
剰余金の配当、公募株式等証券投資信託等の収益の分配 ① |
総合課税 |
上場株式等の配当等で申告分離課税を選択したもの ④ |
申告分離課税 |
特定目的信託の社債的受益権の収益の分配などの所得 |
源泉分離課税 |
年金他 |
雑所得 |
9種類の所得のいずれにも当たらない所得 ①
国民年金、厚生年金などの所得  
副業で得た原稿料・講演料など |
総合課税
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株式等を譲渡したことによる所得(事業規模ではないが業として行うもの) ⑤
先物取引に係る雑所得(事業規模ではないが業として行うもの) ⑥ |
申告分離課税 |
割引債の償還差益など |
源泉分離課税 |
臨時的なもの |
譲渡所得 |
車両、機械、ゴルフの会員権などの資産を譲渡したことによる所得 ① |
総合課税 |
土地・建物の資産を譲渡したことで生じる所得 ⑦
株式等を譲渡したことによる所得(事業所得や雑所得になるものを除く) ⑤ |
申告分離課税 |
一時所得 |
懸賞や福引きの賞金品・生命保険の一時金や損害保険の満期返戻金等 ① |
総合課税 |
懸賞金付預貯金等の懸賞金
一時払養老保険(保険期間が5年以内であるなど一定の要件を満たすもの) |
源泉分離課税 |

所得税計算における分類
確定申告における所得税の計算は、課税方法( 総合課税 ・ 申告分離課税 )、及び、所得の種類ごとに、以下①~⑦のグループごとに行います。
ここでは、こちらの分類で詳細を説明していきます。
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総合課税の所得 |
①総合課税となる8種類の所得
事業所得、不動産所得、給与所得、利子所得、配当所得、雑所得、総合課税の短期譲渡所得、総合課税の長期譲渡所得、一時所得
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申告分離課税の所得 |
②退職所得
③山林所得
④申告分離課税の上場株式等に係る配当所得
⑤株式等に係る譲渡所得等(=譲渡所得と事業所得と雑所得 )
⑥先物取引に係る雑所得等(=事業所得と雑所得 )
⑦土地・建物等の短期・長期譲渡所得
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※⑤と⑥は、( )にある通り、複数の所得がまとまっています。そのため、「・・・等」という表現になっています。 |
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所得の基本的な計算式は、以下の通りです。
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(※)所得によっては、必要経費の他に「特別控除額」を差し引くことができます。この金額は、所得によって異なります。
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総合課税となる所得 ①
総合課税となる所得は、以下8種類です。
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所得 |
内容 |
所得の計算方法
(基本は、所得=収入金額-必要経費です) |
事業 |
事業所得 |
農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業などから生じる所得   |
事業所得=総収入金額-必要経費-青色申告特別控除(青色申告で一定の要件を満たす場合)
詳細は後述します
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不動産所得
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土地や建物、船舶または航空機の貸付による所得 |
不動産所得=総収入金額-必要経費-青色申告特別控除(青色申告で一定の要件を満たす場合) |
サラリーマン |
給与所得
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勤務先から受取る給与や賞与など   |
給与所得=給与等の収入金額-給与所得控除
なお、特定支出額の合計>給与所得控除額×1/2 の場合は、以下で計算することもできます。
給与所得=給与等の収入金額-(特定支出額の合計+給与所得控除額×1/2)
詳細は後述します |
資産運用等 |
利子所得 |
国外で支払われる預金の利子など |
利子所得=収入金額 |
配当所得
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剰余金の配当、公募株式等証券投資信託等の収益の分配
※申告分離課税を選択したものを除く |
配当所得=配当等の収入金額-負債の利子
※総合課税を選択すると、配当控除(税額控除)を受けることができます。 |
年金他 |
雑所得
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国民年金、厚生年金など   |
雑所得=収入金額-公的年金等控除
詳細は後述します
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9種類の所得のいずれにも当たらない所得
・副業で得た原稿料・講演料など |
雑所得=総収入金額-必要経費 |
臨時収入 |
譲渡所得
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車、機械、ゴルフの会員権などの資産を譲渡したことによる所得 |
以下(a)短期譲渡所得(5年以内保有資産の譲渡)と(b)長期譲渡所得(5年超保有資産の譲渡)の合計
(a)短期譲渡所得=総収入金額-取得費-譲渡費用-特別控除額(※1)
(b)長期譲渡所得=総収入金額-取得費-譲渡費用-特別控除額(※1)(※2)
(※1)特別控除額は、(a)と(b)合わせて50万円。(a)→(b)の順番で控除する
(※2)合計所得金額・総所得金額等・総所得金額を計算する際、損益通算後、純損失の繰越控除前に、(b)長期譲渡所得に1/2をかける( 上図参照)
(参考)国税庁 |
一時所得 |
・懸賞や福引きの賞金品、競馬や競輪の払戻金
・生命保険の一時金や損害保険の満期返戻金等
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一時所得=総収入金額-その収入を得るために支出額-特別控除額(※1)
(※1)合計所得金額・総所得金額等・総所得金額を計算する際、損益通算後、純損失の繰越控除前に、一時所得に1/2をかける( 上図参照) |
申告分離課税となる所得
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所得 |
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内容 |
所得の計算方法
(基本は、所得=収入金額-必要経費です) |
サラリーマン |
②退職所得 |
勤務先から受取る退職手当、一時恩給 |
退職所得=(退職手当金等の収入金額-退職所得控除額)×1/2
※特定役員退職手当等の場合は、
退職所得=退職手当金等の収入金額-退職所得控除額 |
資産運用等 |
③山林所得 |
山林を伐採して譲渡したことによる所得
ただし、所有期間が5年以内の山林は、事業所得や雑所得になります。
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山林所得=総収入金額-必要経費-森林計画特別控除額-特別控除額(50万円)-青色申告特別控除(青色申告で一定の要件を満たす場合) |
④配当所得
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上場株式等の配当等で申告分離課税を選択したもの |
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⑤株式等を譲渡したことによる所得等
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事業所得 |
事業規模で行うもの |
(a)上場株式分と(b)一般株式分に分けて、以下の通り計算する。
(a)上場株式等の譲渡所得等の金額=総収入金額-取得費-委託手数料等
(b)一般株式等の譲渡所得等の金額=総収入金額-取得費-委託手数料等
(参考)国税庁
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雑所得 |
事業規模ではないが業として行うもの |
譲渡所得 |
事業所得や雑所得になるものを除く |
⑥先物取引に係る雑所得等
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事業所得 |
事業規模で行うもの |
雑所得等=総収入金額-必要経費 |
雑所得 |
事業規模ではないが業として行うもの |
⑦土地・建物等の譲渡所得
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土地・建物の資産を譲渡したことで生じる所得 |
以下(a)短期譲渡所得(5年以内保有資産の譲渡)と(b)長期譲渡所得(5年超保有資産の譲渡)に分けて、以下の通り計算する。
(a)短期譲渡所得=総収入金額-取得費-譲渡費用-特別控除額
(b)長期譲渡所得=総収入金額-取得費-譲渡費用-特別控除額
(参考)短期譲渡所得(国税庁) 長期譲渡所得(国税庁)
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源泉分離課税となる所得
以下は、源泉分離課税なので、確定申告の所得税計算には使いません。
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所得 |
内容 |
備考 |
資産運用等 |
利子所得 |
・公社債や預貯金の利子など
※一般的に、利子所得は源泉分離課税になります。 |
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配当所得 |
・特定目的信託の社債的受益権の収益の分配などの所得 |
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臨時収入 |
一時所得 |
・懸賞金付預貯金等の懸賞金等
・一時払養老保険(保険期間が5年以内であるなど一定の要件を満たすもの) |
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雑所得 |
割引債の償還差益など |
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ここからは、上記表のうち、  が付いた「事業所得」と「給与所得」と「雑所得(年金)」の詳細を説明します。

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「事業所得」の詳細 |
上記表のうち、個人事業主の所得は、総合課税の「事業所得」に該当し、以下の通り計算します。
事業所得 = 総収入金額 - 必要経費 - 青色申告特別控除(青色申告で一定の要件を満たす場合)
個人事業主の申告方法は、青色申告と白色申告があります。
青色申告の場合、上記算式にある「青色申告特別控除」などのメリットを受けることができますが、複式簿記により貸借対照表と損益計算書の作成が必要になります。
※青色申告制度は、不動産所得や山林所得でも利用できます。
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青色申告 |
白色申告 |
①「正規の簿記の原則(一般的には複式簿記)」による記帳
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②簡易簿記による記帳 |
③現金式簡易簿記による記帳 |
簡易簿記による記帳 |
記帳の仕方 |
・貸借対照表と損益計算書の作成
・発生主義により記帳 |
・損益計算書だけ作成
・発生主義により記帳 |
・現金主義により記帳 |
・損益計算書だけ作成
・発生主義により記帳 |
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上記手続をする場合
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上記手続をする場合
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上記手続をする場合
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上記手続をする場合
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青色申告特別控除 |
65万円控除 |
10万円控除 |
10万円控除 |
なし |
他のメリット |
・必要経費に事業専従者給与や貸倒引当金を計上できる
・所得税計算時に、損益通算、純損失の繰越控除と繰戻控除などできる( 参照)。 |
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詳細は、 個人事業主の青色申告・白色申告手続比較表 をご覧ください。
<関連カテゴリ>
![法人と個人事業主の会計[全体像]](../20kai/image/000zentai_aoiro2.gif) 【図解】個人事業主と法人の会計カテゴリ
複式簿記より貸借対照表と損益計算書の作成までの手続は、こちらをご覧ください。
【図解】会計ソフト比較解説カテゴリ
会計ソフトの選び方から各ソフトの比較は、こちらをご覧ください。
確定申告が初めての方でも、会計ソフトを使えば、効率的な作業が可能です。できるだけ早い段階で、会計ソフトを使うとよいです。
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「給与所得」の詳細 |
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●収入:1~12月の給与(基本給・残業手当・家族手当など)+賞与(ボーナス)です。一般的に年収のことです(手取り額ではありません)。
これは、給与所得の源泉徴収票の「支払金額」に表示されます。 |
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●必要経費:個人事業主は、収入から仕入原価などの必要経費を差引くことができます。サラリーマン・パートの場合は、必要経費を特定することが難しいため、収入に応じた一定額を控除できるようになっています。これを「給与所得控除」といいます(「所得控除」という名称がついていますが、「給与所得控除」は、 15種類の「所得控除」( 参照)とは別物です)。 |
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●所得:サラリーマン・パートの「所得」は、「給与所得」といいます。
これは、給与所得の源泉徴収票では、「給与所得控除後の金額」欄に表示されます。 |
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※サラリーマンが勤務先からもらう給与所得の源泉徴収票

※給与所得の計算の仕方(令和2年分の場合)
前述の通り、給与所得の計算式は、以下の通りです。名称がやや似ていますので、計算する際は明確に区別して計算式に当てはめてください。 給与の収入金額
― 給与所得控除額 給与所得の金額
給与の収入金額を下表に当てはめれば、ダイレクトに、「給与所得」計算できます。

出典:国税庁HPより ※給与収入が660万円未満の場合には、上の速算表以外に給与所得の金額が簡単に求められる「簡易給与所得表」があります。「簡易給与所得表」とは、所得税法別表第五(年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表) です。
※確定申告年によっては、計算方法が異なります。過年度の確定申告をやり直す場合等は、 No.1410給与所得控除|国税庁
をご覧ください。
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「公的年金に係る雑所得」の詳細 |
雑所得を除く合計所得金額に応じて、以下3つのいずれかの速算表に当てはめて、「雑所得」(公的年金等控除後の金額)を計算します。
公的年金等に係る雑所得の金額 = (a)公的年金等の収入金額の合計額 × (b)割合 ― (c)控除額

出典:No.1600 公的年金等の課税関係|国税庁
国税庁の例を表に当てはめて計算すると以下の通りです。

※確定申告年によっては、計算方法が異なります。過年度の確定申告をやり直す場合等はご注意ください。
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2 合計所得金額・総所得金額等・総所得金額の違い
1 所得の計算が終わりましたら、 2 合計所得金額・総所得金額等・総所得金額 下図の赤枠内 を計算していきます。
「合計所得金額」と「総所得金額等」は、通常一致しますが、純損失の繰越控除がある特殊な場合は、異なります。
これらは、一部の所得控除・税額控除の適用の可否や控除額計算の際に使います。
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各所得の計算(収入-必要経費)後、損益通算を行います。
損益通算とは、主に 事業所得・不動産所得・山林所得・総合課税の譲渡所得で発生した赤字を、他の所得から控除できる制度です。
合計所得金額・総所得金額等は、通常一致しますが、上の図の通り、損失の繰越控除がある場合は、異なります。
損失の繰越控除とは、当期に控除しきれなかった損失がある場合、一定の要件を満たせば、以後3年間に渡って所得から控除することです。
表にまとめると、以下の通りです。 また、総所得金額等のうち、総合課税の所得だけの範囲を集計したのが、総所得金額となります。
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計算方法 |
利用場面 |
合計所得金額 |
損失の繰越控除前の以下合計
総合課税の所得 |
①総合課税となる8種類の所得を以下の通り合計
事業所得+不動産所得+給与所得+利子所得+配当所得+雑所得+総合課税の短期譲渡所得+(総合課税の長期譲渡所得+一時所得)×1/2
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+ |
申告分離課税の所得 |
+ ②退職所得
+ ③山林所得
+ ④申告分離課税の上場株式等に係る配当所得
+ ⑤株式等に係る譲渡所得等(=譲渡所得と事業所得と雑所得)
+ ⑥先物取引に係る雑所得等(=事業所得と雑所得) + ⑦土地・建物等の短期・長期譲渡所得(特別控除前)
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合計所得金額は次のような場面で使います。
所得控除(配偶者控除・扶養控除など)や 税額控除(住宅ローン減税)の適用の可否を判定するときに使います。 |
総所得金額等 |
上記「合計所得金額」から、損失の繰越控除をした後の金額を「総所得金額等」といいます(注:「等」がつきます)。
総合課税の所得 |
①総合課税となる8種類の所得を以下の通り合計
事業所得+不動産所得+給与所得+利子所得+配当所得+雑所得+総合課税の短期譲渡所得+(総合課税の長期譲渡所得+一時所得)×1/2
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+ |
申告分離課税の所得 |
+ ②退職所得
+ ③山林所得
+ ④申告分離課税の上場株式等に係る配当所得
+ ⑤株式等に係る譲渡所得等(=譲渡所得と事業所得と雑所得)
+ ⑥先物取引に係る雑所得等(=事業所得と雑所得) + ⑦土地・建物等の短期・長期譲渡所得(特別控除前)
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上記「総所得金額等」のうち、総合課税の所得だけを「総所得金額」といいます(注:「等」がつきません)。 |
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総所得金額等は次のような場面で使います。
所得控除(雑損控除・医療費控除など)の適用の可否を判定するときに使います。 |
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確定申告書の書き方
ここでは、収入と所得を確定申告書Bに記入する流れを説明します。
確定申告書Bの第二表は、第一表の明細です。
下図第二表の 赤枠内 に、収入などの明細など → 第一表の 赤枠内 に、収入と所得の額 の流れで記入します。
※確定申告書A(第一表と第二表)の場合でも、書き方に大きな違いはありません。
様式は、確定申告書B(第一表と第二表)とほとんど同じです。

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関連ページ
国税庁HPの全体の流れと図表を分かりやすく解説します。
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